シミ治療の研究室

シミ治療について

これまでの日本のシミ治療は化粧品やエステに頼る部分が多く、医療機関がかかわることはあまりありませんでした。保険診療を建前とする日本では病気とはされないシミは相手にされず、本当に効くのかどうかよくわからない薬(その多くはビタミン剤)が処方されておしまいという状態でした。
しかし、最近はレーザーなどの治療器や、保険は効かないけれど化粧品や市販薬に比べれば明らかに治療効果が高い薬も使用できるようになりました。

現在は、シミの専門医なら、シミの悩みの多くを解決することができます。
驚くほど簡単に取れてしまうシミもあれば、なかなか良くならないシミもあります。
短期間にきれいになるシミもあれば、時間をかけて徐々に薄くなるシミもあります。
シミを治療するにあたって最も重要なことは、シミを正しく診断してその患者さんに合った治療計画を立てることです。

一口にシミといっても、シミには多くの種類があり、シミの種類によって治療法や治療の有効度、治るまでの期間も異なります。しかも、1人の人に1種類のシミしかないとは限りませんし、治療に対する反応も人それぞれです。

当院には、「他の病院でレーザー治療をしたけれども、あまりよくならなかった」という方も多くいらっしゃいます。そのような方の話を聞くと、以前受けたレーザー治療が、脱毛用レーザーのようにもともとシミに対する効果が弱いレーザーで代用されていたり、レーザー治療後の色素沈着に対してレーザー照射を繰り返してかえって悪化させているケースなどもあります。

このHPを読んでシミのことが少し理解できたら、勇気を出して専門医を受診してみませんか。気になっているシミが一つなくなるだけでも、毎日の気分がきっと明るくなりますよ。

 

シミの種類

老人性色素斑

シミの中で最も代表的なものです。「日光黒子」と呼ばれることもあります。加齢とともに増えるシミですが、早い人では、20代から生じることがあります。海水浴後に背中に多発するものを特に「光線性花弁状皮膚炎」と呼びます。

大きさは様々で、形も不定形で、顔のどこにでもできます。色は褐色調で、濃淡も様々です。ゆっくり拡大する傾向や、徐々に濃くなる傾向を持っています。一度できた老人性色素斑が自然に消えることはあまりありませんが、稀に炎症や外傷をきっかけに消退することがあります。

老人性色素斑は、長年の紫外線ダメージの蓄積によって引き起こされます。若いうちは、肌に紫外線に対する許容範囲が残っていて、日焼けをしてもシミにはなりません。しかし、気をつけなければいけないのは、その時にはシミにならなくても、肌は紫外線のダメージを記憶しているということです。そして紫外線ダメージが積み重なり、肌の許容量を超えたときにシミがあらわれます。老人性色素斑に対しては、子供のころから紫外線対策をすることが重要です。すでに老人性色素斑ができてしまった人も、今からでも遅くはありませんからまずは紫外線対策を行ってください。

症例1-1

【老人性色素斑】

  症例1-2

【老人性色素斑】

 

脂漏性角化症(老人性イボ)

表面が盛り上がったシミです。色の濃さや形態がバラエティーに富んでいます。一見老人性色素斑のように見えるシミをよく観察すると、わずかにイボ状に盛り上がっているということもよくあります。

皮膚科の教科書では、老人性色素斑は色素異常、老人性疣贅は皮膚良性腫瘍と分類されますが、角化細胞の異常という点で両者は本質的に同じものと考えることができます。

症例2

【脂漏性角化症】

一見シミのように見えますが、少し盛り上がりがあります。脂漏性角化症ができやすい人は、シミに見える部分のほとんど全てがイボになっています。

 

ソバカス(雀卵斑 じゃくらんはん)

遺伝傾向のあるシミで、幼少期から2~3㎜の細かい褐色斑が顔の両側に多発します。遺伝的体質が背景にあります。ソバカスは幼少期から発症するシミですから、20歳以上になってから増えた細かいシミの正体は、ソバカスではなくて細かい老人性色素斑やADMのことが多いようです。

ソバカスでは表皮基底層のメラニンが増加していますが、老人性色素斑のような表皮細胞の異常はありません。

症例3

【ソバカス】

小児期より小さな色素斑が多数出現

 

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

後天性真皮メラノサイトーシス(略してADM)は、比較的新しい概念のシミです。別名、両側性太田母斑様色素斑ともいいます。昔の皮膚科教科書には載っていないので、シミの治療の経験が少ない医師は、ご存じないこともあります。一般的なシミはメラニンが表皮内に増えているのに対して、ADMでは真皮内に増えているのが特徴です。

典型的なADMは、20歳以降に両側の頬に小さい斑点状のシミとして出現します。両側の額の生え際や両側の下まぶたにびまん性(地図状)に広がることもあります。ADMは、両側対称性に生じるのでよく肝斑と間違えられます。実際、肝斑として治療されている人の中に、かなり高い確率でADMの人が存在しています。ADMは比較的珍しいシミと思われていましたが、シミの治療を希望する人が増えた現在、実は非常に頻度が高いシミであることがわかっています。

慣れないうちは診断が難しいシミですが、鑑別のポイントさえ理解していれば診断できます。頬にできる斑点状のADMの1個の斑点は、ソバカスより少し大きいのが特徴です。額や下まぶたのびまん性のADMは、発症部位が肝斑とは少し異なるので鑑別できます。額の肝斑は生え際ではなく生え際から離れた位置に生じますし、下まぶたには肝斑は生じません。しかし、ADMはしばしば肝斑やソバカスと合併することがあるので、そうなると正確な診断は非常に難しくなります。

ADMは、真皮内にメラノサイトが増えているのが原因ですので、典型的なADMは他のシミとは色調がやや異なります。他のシミの色は褐色の濃淡で表現されるのに対し、ADMは灰色や紫色がかった色調を呈します。

発症の仕方は異なりますが、ADMと本質的に同じ色素異常にあたるのが太田母斑というアザです。太田母斑は、生まれて間もなくもしくは思春期に出現する片側性のADMと考えることができます。

症例4

【ADM】

 

症例5

【ADM】

ADMは左右対称性に出現します。
よく肝斑と間違われますが、
頬のADMはよく見ると
斑点状になっています。

症例6

【太田母斑】

太田母斑は顔の片側だけに
出現します

 

肝斑

30歳以上の主に女性に発症する両側対称性のシミです。褐色調で地図上に広がるシミですが、シミの広がり方は人によって様々です。上下まぶたの薄い皮膚の部分には生じないのも特徴の一つです。治療が難しいシミの代表です。

発症の原因は実はまだよくわかっていませんが、皮膚の炎症による色素沈着と考えられています。女性ホルモンが関与しているらしいこと、紫外線に非常に敏感であることは知られています。また、洗顔や化粧などの顔をこする行為が肝斑を悪化させることもわかっています。シミに良かれと思っていろいろな化粧品を使うことによって、かえって肝斑を悪化させている場合が少なくありません。

肝斑では、表皮基底層とその上層にメラニンが増加しています。

症例7

肝斑は両側に地図上に広がります

 

炎症後色素沈着(PIH)

熱傷やカスリ傷などの外傷後や、皮膚炎のあとに色素沈着を起した状態です。レーザー治療を行ったあとに起きる色素沈着も炎症後色素沈着です。多くの場合は一過性ですが、治らずに色素沈着が長く残ることがあります。刺激が繰り返されて、真皮内にまでメラニンが落ちてしまったPIHは治療が難しくなります。

炎症後色素沈着(PIH)治療例1-1

【レーザー治療前】

薄い老人性色素斑

矢印

 

炎症後色素沈着(PIH)治療例1-2

【レーザー治療後】

レーザー後に生じた炎症後色素沈着

 

シミに対する主な治療法

Qスイッチレーザー

シミの治療において、必要不可欠な治療装置がQスイッチレーザーです。
現在、Qスイッチレーザーには、
1. Qスイッチルビーレーザー
2. Qスイッチアレキサンドライトレーザー
3. QスイッチYAGレーザー
の3種類があり、それぞれ光の波長が異なります。シミの原因であるメラニン色素に吸収されやすい波長を持っているという点から、シミ治療においてはQスイッチルビーレーザーが最もよく使われています。

Qスイッチルビーレーザーは、老人性色素斑やソバカス、ADM、太田母斑などに効果があります。限局した老人性色素斑、ADM、太田母斑の治療の第一選択はQスイッチルビーレーザーです。

ADMや太田母斑は、Qスイッチレーザー以外の方法では完全消失は困難です。

一方、Qスイッチレーザーが適さないシミが、肝斑と炎症後色素沈着です。

Qスイッチレーザーの治療は、小範囲であれば無麻酔でも可能ですが、痛みが苦手な人や広範囲の治療では、表面麻酔を行うことがあります。ADMや太田母斑では痛みが強いので、局所麻酔の注射を行うことがあります。レーザー照射中は、輪ゴムではじかれたような痛みを感じます。照射後もしばらくヒリヒリ感が残りますので、氷でよく冷やします。

レーザー照射部位は、照射後に濃い褐色調のかさぶたになります。かさぶたとはいっても黒い薄皮と考えていただければ結構です。かさぶたは、7~10日で自然に剥がれます。刺激を与えて無理にはがすと跡が残ってしまいますので、10日間は軟膏と肌色のテープによる保護処置をご自身で行ってもらいます。洗顔は治療当日から可能です。
かさぶたが剥がれると、老人性色素斑の場合は少し赤みを帯びたきれいな肌があらわれます。ADMの場合はすぐに色素が消えるわけではなく3~6ヶ月かけて徐々に薄くなっていきます。レーザー後の赤みは徐々に薄くなりますが、一部の人ではかさぶたがとれた2週間後頃からレーザー照射部分に再びシミを生じることがあります。これを炎症後色素沈着(PIH)といい、レーザーの刺激によって起こるものです。炎症後色素沈着は大体1~6ヶ月の経過で改善するので、通常はハイドロキノン軟膏を塗布しながら薄くなるのを待ちます。炎症後色素沈着に対してレーザーを再照射しても再発するだけです。

1回のレーザー治療で取りきれなかったシミは、3~6ヶ月以上待ってから再治療します。

治療装置がQスイッチレーザー

当院で使用するQスイッチルビーレーザー

ルビーレーザーはノーマルモードとQスイッチモードの2種類のレーザー照射ができます。

 

I2PLなどのフラッシュ光線治療

広い範囲のシミやクスミの治療にはI2PLが勧められます。特に若い人のソバカスや年配者の著しい光老化症状に対しては、I2PLが第一選択ともいえます。レーザーと異なり、治療直後からお化粧が可能です。

局所的なシミの改善よりも、顔全体的なシミの改善を望まれる人は、まずはI2PLを行ってみることをお勧めします。
詳しくはI2PLのサイトもお読み下さい。

レーザーが禁忌とされる肝斑においても、症例によってはI2PLで大きな効果を得られることがあります。

治療装置I2PL
エリプスI2PL+(新型I2PL)
 

レーザートーニング

これまで肝斑にはレーザー照射は禁忌とされてきましたが、一部のレーザーを非常に弱いエネルギーで照射することによって肝斑の改善が期待できることが最近報告されるようになりました。これをレーザートーニングと呼んでいます。

レーザートーニングは肝斑だけなく、毛穴の改善や肌に透明感を与えるなどの効果も期待できます。

レーザートーニングに使用されるレーザーは、QスイッチYAGレーザーのうち「トップハット型」と呼ばれる照射径内のパワーが均一な機種が選択されます。その中で最も代表的な機種が「メドライト6」というQスイッチYAGレーザーです。当院でも2013年から「メドライトC6」による治療を行っています。

メドライトC6
メドライトC6

肝斑は皮膚に炎症が起こると悪化します。レーザートーニングでは皮膚に炎症を起こさない程度に弱くレーザーを照射して肌の中のメラニンを少しずつ破壊していきます。
通常のシミのレーザー治療やフラッシュ光線治療では、光がシミに反応した結果として照射後にシミ部分に黒い痂皮が生じますが、レーザートーニングでは黒い痂皮ができません。
また照射エネルギーが弱いため、他のレーザーや光線治療に比べて照射時の痛みがはるかに軽いのも特徴です。
そのかわり治療効果を感じるまでにはやや時間を要し、照射をくり返し行う必要もあります。

レーザートーニングは肝斑に対する第一選択の治療法ではなく、薬治療に抵抗性の肝斑に対する治療、もしくは肝斑のない肌で美肌効果を期待する治療ととらえています。
そのため、肝斑の患者さんではレーザートーニング前に2か月間クスリによるプレトリートメントが必要です。

プレトリートメントには通常の肝斑治療と同様に、トラネキサム酸とビタミンCの内服、およびハイドロキノン軟膏の外用を行います。
レーザートーニング治療中も薬治療は継続して行います。

治療は1~2週間隔で5~8回程度を目安とします。
3~4回目くらいから肝斑が薄くなることが多いです。
8回以上くり返す場合は、間隔を1ヶ月以上あけていただきます。

レーザートーニングで報告されている主たる合併症は白斑と肝斑の悪化です。
白斑の発生は照射エネルギーおよび治療の頻度と関係があります。強めのエネルギーを短い間隔で数多く照射するとリスクが高まります。
また、強すぎるエネルギーで照射すれば他のレーザー同様に肝斑を悪化させます。
レーザートーニングは安全とされる照射条件を守って行われます。

 

トレチノイン治療

ビタミンAの誘導体であるトレチノインという外用薬を使うことによって、炎症後色素沈着や肝斑、老人性色素斑の治療を行うことができます。特に炎症後色素沈着に対してトレチノンは最も効果的です。レーザーやI2PLなどの光はメラニン色素そのものを標的にする治療ですが、トレチノインはメラニンに特異的に反応する薬ではなく、表皮のターンオーバーを早めることによってメラニンの除去を促します。薬の上からお化粧は可能です。

トレチノイン治療中は、皮剥け症状や皮膚の発赤を生じるので、定期的に医師の診察や指示を受けながら治療を行う必要があります。皮剥けや発赤はトレチノインが効いている一つの指標になります。当院では、「東大式」と呼ばれるトレチノイン水溶剤とハイドロキノン軟膏を併用した治療法を取り入れています。長期に使用すると効果が弱まってくるので、2ヶ月間の使用で効果が不十分な場合は、1ヶ月以上休薬して治療を再開します。

トレチノインとハイドロキノン

当院で使用するトレチノインとハイドロキノン

自家調剤しているクリニックのトレチノインやハイドロキノンとは違い、チューブに密封して劣化を防いでいますので効果が長続きします。

自家調剤しているクリニックのトレチノインやハイドロキノンとは違い、チューブに密封して劣化を防いでいますので効果が長続きします。

 

高周波メス・炭酸ガスレーザーによる蒸散・焼灼

脂漏性角化症のように隆起したシミに対して行われる方法です。
周辺に熱ダメージが及ばないように、隆起部分だけを慎重に焼いていきます。
Qスイッチレーザーを併用する場合もあります。

治療後は、10日間、軟膏と肌色テープによる保護を行います。お化粧はテープの上から可能です。

 

トラネキサム酸の内服

主に肝斑の治療に使われる飲み薬です。医療機関ではトランサミン、一般薬局ではトランシーノという薬品名で処方されます。本来、トラネキサム酸はシミの薬ではありませんが、炎症を抑え、メラニン合成を抑制することによって肝斑の色調を改善することが知られています。

比較的副作用の少ない薬で、肝斑治療以外でもシミをできにくくする目的で補助治療薬として内服していただくことがあります。

トランサミン(トラネキサム酸)とシナール(ビタミンC)
トランサミン(トラネキサム酸)とシナール(ビタミンC)
 

ハイドロキノン

塗り薬として使用する美白剤です。肝斑や炎症後色素沈着の治療、レーザー後の色素沈着の予防などの目的で使用します。稀にアレルギー症状が出る人や、刺激感を感じる人もいます。かぶれを生じた場合は、使用を中止します。

ハイドロキノンには、メラニン色素を作りにくくする効果があります。美白剤とはいっても、ハイドロキノン単独で老人性色素斑やソバカスを消失させてしまうだけの効果はありません。

 

ビタミンC(アスコルビン酸)

メラニン色素の合成を抑える、紫外線でダメージを受けた皮膚のDNAを修復するなどの働きがあります。サプリメントとして内服する方法と、高濃度ビタミンC誘導体の化粧品を直接肌に塗る方法の2つの摂取の方法があります。

ビタミンC誘導体の化粧品はローションが一般的ですが、水溶性ジェルや超高濃度の脂溶性スティックなどもあります。超高濃度のスティックは、まぶた周辺など局所的に使用します。

副作用がほとんどないので、使用感を重視してご自分に合ったものを使用していただきます。シミの治療が終了した後もシミ・シワ予防の化粧品として長期にわたって使用されることをお勧めします。

高濃度ビタミンC誘導体ローションとジェル
高濃度ビタミンC誘導体ローションとジェル

当院で販売しているビタミンCローションは、他のビタミンCローションに比べて使用感が良いと好評です。

 

シミ別の治療法

老人性色素斑

老人性色素斑に最も有効性が高いと考えられるのがQスイッチルビーレーザーです。
限られた範囲の老人性色素斑を治したい場合は、Qスイッチルビーレーザーが第一選択の治療法と考えます。しかし、広い範囲の老人性色素斑や細かい老人性色素斑を治したい場合や、レーザー後のダウンタイムを受け入れられない場合はI2PLをお勧めすることがあります。

Qスイッチルビーレーザー治療では、ほとんどの老人性色素斑は1~2回の治療で改善できます。ただし、照射後10日間の塗り薬とテープの処置が必要なことと、一時的な炎症後色素沈着が起きる可能性があるという欠点があります。

稀に、老人性色素斑でもメラニンが真皮内に入り込んでいることがあります。そのような老人性色素斑は色が薄くなるまでに時間がかかり、ADMに準じてレーザー照射を数回繰り返す場合もあります。

時々、「過去にレーザー治療をしたけれども全然シミが取れなかった」という患者さんに出会いますが、その場合の「レーザー」は、「Qスイッチレーザー」ではなく、レーザーフェイシャルと称した「脱毛用レーザー」が使用されていることが多いようです。

I2PLでも、小さなシミなら1回で消失してしまうこともありますが、一般的には3~5回の照射を重ねることによって効果を発揮します。しかし、レーザーに比べてマイルドなシミの取れ方をする治療法なので、治療効果に個人差があります。3~5回程度の治療を行っても変化が少ない老人性色素斑に対しては、Qスイッチルビーレーザーを考慮します。

トレチノインでも老人性色素斑の一部は治療できます。しかし、トレチノイン治療中は皮剥けや皮膚の発赤を伴うことと、レーザーの効果には及ばないことが多いことを覚えておいて下さい。もちろん薬の効き具合には、個人差があります。トレチノイン治療は薬の使い方が重要ですから、治療中は2週間毎の診察を必要とします。

老人性色素斑の治療例1-1

【治療前】

もみあげ前の老人性色素斑

矢印

 

老人性色素斑の治療例1-2

【ルビーレーザー1回 6ヵ月後】

ほぼ完全に消失しています。

老人性色素斑の治療例2-1

【治療前】

頬部の老人性色素斑

矢印

 

老人性色素斑の治療例2-2

【ルビーレーザー1回 4ヵ月後】

完全消失

老人性色素斑の治療例3-1

【治療前】

頬部の老人性色素斑

矢印

 

老人性色素斑の治療例3-2

【ルビーレーザー1回 4ヵ月後】

完全消失

老人性色素斑の治療例4-1

【治療前】

頬部の老人性色素斑と肝斑

矢印

 

老人性色素斑の治療例4-2

【I2PL5回後】

I2PL治療とトラネキサム酸・シナール内服、ハイドロキノン外用を併用しています。
レーザーは一度も使用していません。
老人性色素斑がほぼ消失するとともに、肌が全体的に見違えるようにきれいになっています。

老人性色素斑の治療例5-1

【治療前】

頬部の老人性色素斑

矢印

 

老人性色素斑の治療例5-2

【I2PL4回後】

I2PL単独治療で著効。

 

脂漏性角化症(老人性イボ)

色が濃くて盛り上がり方が軽いものは老人性色素斑と同様にQスイッチレーザー単独で取れることもありますが、盛り上がり方が強い場合は、サージトロンや炭酸ガスレーザーなどで除去します。盛り上がりが取れた後に色だけが残る場合は、Qスィッチレーザーをさらに照射します。トレチノイン単独治療は無効です。

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例1-1

【治療前】

老人性色素斑のように見えますが、ほとんどが盛り上がっています。

矢印

 

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例1-2

【サージトロン治療後1ヶ月】

きれいに消失しています。

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例2-1

【治療前】

脂漏性角化症

矢印

 

脂漏性角化症(老人性イボ)の治療例2-2

【サージトロン治療後1ヶ月】

きれいに消失しています。
まだ少し治療後の赤みがありますが、いずれ改善します。

 

ソバカス

範囲が広いソバカスは、I2PL(フラッシュ光線)が第一選択と考えます。ソバカスの除去効果自体はI2PLよりQスイッチレーザーの方が強力ですが、広い範囲に細かいシミが点在するというソバカスの特徴を考えると、I2PLの方がソバカス治療にはむいています。ソバカスは遺伝的な体質が影響していますから再発も多く、将来再治療が必要というケースもありますが、その場合もダウンタイムが少ないI2PLは大変受け入れやすい治療法となります。

I2PLでは消えないソバカスに対しては、Qスイッチレーザーを考慮します。小範囲のソバカスでは、初めからQスイッチレーザーを行うこともあります。

ソバカスの治療例1-1

【治療前】

ソバカスは小さい色素斑が多数・広範囲に存在するのでレーザーでは大変です。

矢印

 

ソバカスの治療例1-2

【I2PL2回治療後】

ソバカスはI2PLの良い適応です。

 

ADMと太田母斑

ADMと太田母斑は、Qスイッチレーザー治療が必要です。Qスイッチレーザーが誕生する以前は、太田母斑は最も治療が難しいアザの代表でしたが、Qスイッチルビーレーザーが登場してからは、時間はかかるけれども治療すれば必ず良くなるアザへと変わりました。レーザーの効果があらわれるまでに時間がかかるため、3~6ヶ月以上の間隔をあけながら照射を数回行います。軽症なら1~2回、重症では4~5回の照射が必要です。

レーザー後に炎症後色素沈着を起しやすい人は、トレチノイン治療を併用することによって治療期間を短縮することができます。レーザー治療前にI2PL治療やトレチノインを行って、レーザーの効果をより高めることもあります。

ADMの治療例1-1

【治療前】

ADM

矢印

 

ADMの治療例1-2

【レーザー2回治療後6ヶ月】

ADMはレーザーを照射してもすぐには良くなりません。
レーザー後3~6ヶ月くらい経って薄くなってきます。

ADMの治療例2-1

【治療前】

ADM

矢印

 

ADMの治療例2-2

【レーザー2回治療後2年】

ADMは照射を繰り返すごとに薄くなっていきます。再発も稀です。

太田母斑の治療例1-1

【治療前】

太田母斑

矢印 太田母斑の治療例1-2

【1回目レーザー後6ヶ月】

色素がまだかなり残存しています

    矢印
    太田母斑の治療例1-3

【2回目レーザー後1ヶ月】

炎症後色素沈着を生じています。

    矢印
    太田母斑の治療例1-4

【2回目レーザー後6ヶ月】

炎症後色素沈着に対して1か月間のトレチノイン治療を行っています。
2回のレーザー照射で、太田母斑はほぼ消失しています。

 

肝斑

肝斑は治療が難しいシミです。安易なレーザーや光の照射は肝斑を悪化させます。
肝斑に対しては未だ特効的な治療法はなく、厳重な紫外線対策と肌をこすらないなどの日常の肌への気遣いが重要です。

治療は薬治療が中心です。
トラネキサム酸とビタミンCの内服、ハイドロキノンの外用が基本的な薬として処方されます。さらにトレチノインの外用を行うこともありますが、炎症を強く起こしすぎると逆効果になることもあります。
また日頃から高濃度ビタミンC誘導体化粧品の外用を使うことは肝斑に対する予防効果があります。

薬治療を2か月以上行っても改善しない肝斑に対しては、レーザートーニングを行います。
最近では肝斑に対していきなりレーザートーニングを開始してしまう施設もあるようですが、レーザートーニングに際しては薬によるプレトリートメントが必要です。

肝斑の患者さんに対して弱いI2PL治療を行うこともありますが、この場合は肝斑そのものを治療するというよりも、肝斑に合併した老人性色素斑などを取るという意味合いがあります。

肝斑治療は半年から1年以上の長期にわたることが多く、いったん改善しても非常に再発しやすいのが肝斑治療の難しいところです。

肝斑の治療例1-1

【治療前】

頬部の小範囲の肝斑

矢印

 

肝斑の治療例1-2

【トレチノイン治療1ヶ月】

トレチノイン外用とトラネキサム酸内服によって短期間で改善しています。

肝斑の治療例2-1

【治療前】

他院で1年間にわたり、トランサミンとハイドロキノンの治療を行っても改善しなかった症例です。

矢印

 

肝斑の治療例2-2

【I2PL1回1ヶ月後】

トランサミンとハイドロキノンを継続してもらいつつI2PLを照射したところ、1回で劇的に改善しました。

肝斑の治療例3-1

【治療前】

老人性色素斑に肝斑を合併しています。
全体的にくすみも目立ちます。

矢印

 

肝斑の治療例3-2

【I2PL4回後】

トランサミンとハイドロキノンを併用してI2PL治療を行いました。
シミは消え、全体的に肌質が改善して います。トランサミンやハイドロキノンによる薬剤治療だけでは決してここまできれいには改善できません。

 

炎症後色素沈着(PIH)

多くのPIHは一時的なもので、自然経過で改善します。とはいっても自然経過に任せると、改善するまでに顔では半年以上、体では2年近く時間がかかることがあります。軽度のPIHは、紫外線と摩擦刺激を避けるだけで、積極的な治療を行わないこともありますが、ハイドロキノン軟膏やトラネキサム酸内服などによって、自然経過より早い改善が期待できます。

PIHに対してはトレチノインがよく効きますので、できるだけ早く改善したい場合はトレチノインとハイドロキノンを併用した治療を行います。

慢性的な摩擦刺激が原因の難治性PIHに対しては、ADMに準じてQスイッチレーザー治療とトレチノイン外用の併用療法を行うことがあります。

炎症後色素沈着(PIH)の治療例1-1

【レーザー後のPIH】

レーザー後のPIHです。
比較的重症のPIHのため、トレチノインによる治療を行いました。

矢印

 

炎症後色素沈着(PIH)の治療例1-2

【トレチノイン治療2ヵ月後】

PIHは改善しています。
トレチノインを使用しなければ改善までにもっと時間を要したはずです。

 

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